母の日のヴァイオレットエヴァーガーデン

3.5
エッセイ

writer1の友人をゲストに迎え、コンテンツをレビューしていく「あいつのコラム」第一回はコロナ渦の中母の日に見たあの作品。友人の文才を楽しんでいってほしい。ーwriter1

 母の日だ。今年は、家から出ることが間々ならない状況下でこの日を迎えることとなった。私のように、母元から離れ一人暮らしをしていれば、直接花の一つも渡せない母の日を過ごした人も少なくないだろう。

私と母親は、母の日や誕生日など小さい頃こそ御祝いをしたが、私が社会に出てからは互いに気が向く時に互いが手を伸ばせる範囲にあるものを贈ることが習慣となった。全くこのような状況では、手が届く範囲に物は転がっていないのは勿論、母親にさえ手が届かない。寂しいことに、"今年の贈り物は無しだ"と早々に決めつけてしまっていた。朝からお祝いの言葉だけを電話で伝えた後は、何変わらぬ日を過ごした。

現在23時、今年の母の日が終わるということも意識もせず、今日が母の日であったことすらも忘れてNetflixで友達から勧められて、溜まったアニメの続きを何気無く観ることにした。

『ヴァイオレットエヴァーガーデン』第10話。舞台は、携帯やパソコンがない時代。伝達手段は電話でもメールでも、はたまたLINEでもなく、手紙。主人公は、その人々の大切な手紙を依頼者ともに内容を相談し、手紙の作成をする代筆屋。毎回、各話で1人の依頼者と主人公の関わりが描かれている。この作品について話したいことは、山々だが話が逸れてしまいそうなので今回は割愛させて頂く。

何はともあれ、私が何気に点けた第10話の依頼者は、子供を残し明日旅立ってしまうかもしれない病気の母親。彼女と娘は、戦争で父親を早くに失い、女手一つで7歳まで娘を育ててきたが、彼女に命の終わりが近づいてきてしまった。彼女が主人公とともに娘に残した最後のプレゼントが50歳まで続く毎年、娘の誕生日に送られる母からの手紙なのだ。

偶然ではあったが、今日にこの話に出会えたことは感慨深いと感じるとともに、アニメの登場人物である母親の言葉が普段、電話越しに何気無く話す自分の母親も言わないだけで感じている思いなのではないかと感じた。

コロナウイルスは、若者では症状が出にくいらしいが、母親の年代で罹患すると急激に人体を蝕むらしい。明日は我が身。この物語に感動している場合ではない。

アニメの最後に『愛するものは、ずっと見守っている』とメッセージが表示されたが、こちらとしては愛するものに、触れることができるうちに贈り物の1つや2つしたいものだ。だが、贈り物と共にウイルスを渡してしまっては元も子もない。今は辛抱。そろそろ母の日は終わるが、もしかすると今朝、私が何気なく行った、感謝の気持ちを伝える事こそが今できる最善なのかもしれない。床についたが、なんとなく気持ちよく眠れそうな気がする。

レビュー作品 ヴァイオレットエヴァーガーデン 10話

Violet Evergarden | Netflix
The war is over, and Violet Evergarden needs a job. Scarred and emotionless, she takes a job as a letter writer to understand herself and her past.

コメント

  1. メル より:

    お久しぶりです!アニメは見ない方だと思ってました。
    別のライターの方だったんですね。小生はアニメが趣味なので今後も楽しみです。

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